介護人材不足の話になると、報酬額が低いから人が集まらないって話になる。
間違ってはいないだろう。
そして、同時に言われるのは「介護には専門性が必要。専門性を高める事が報酬をアップしていく根拠になる」的な話。
僕には、この話が、どーにも腑に落ちない。
利用者のニーズを満たす事が介護の価値なのだと思っている。
専門性を高める事が「利用者のニーズを満たす」事につながるのだろうか?
専門性って、なんだろうか?
一般的には「特定のジャンルにおける高度な知識と経験を持っていること」だろう。
「高度な経験と知識」が介護利用者のニーズを満たす為に必要だろうか?
答えとしては「必要な場合もなくもない」だと考えている。
多くの介護利用者のニーズは「高度な経験と知識」がなくても満たす事ができるものだ。必要なのは「ちょっとした知識と経験」だろう。そして、それは本来は一般教養として多くの人が身につけていて良いものだ。
高度な知識と経験を根拠とした専門性に価値があるのは、その希少性だと思う。多くの人が選びにくい学びや体験を通して構築されるから価値がある。
介護に関わる専門性の高さを根拠に報酬を上げるってことは、高度な知識や経験が必要なニーズのある利用者にしか還元されない話だ。
これは介護を提供する側からの理屈でしかない。
介護を必要とする人には、ニーズを満たすのに専門性が必要かなんて関係なく、ニーズが満たされたか、否がが重要だ。
この話は、専門性を必要としないニーズを満たすことを地域の助け合いに委ねようとする国の方針と、介護を権利としての保障を求める利用者たちの要望のギャップに関わる話だと思う。
介護に関わる人たちのスタンスが問われていると思っている。
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